この記事はこんな方におすすめ
・限られた時間で学習効果を高めたい!
・スタッフ教育の効果を高めたい!
・生産性を高めたい!
読む時間:3分
今回のテーマは学習効果を高める工夫です。社会人は忙しくて時間がありません。しかし高いパフォーマンスを発揮するためには、インプットを欠かすことはできません。社員の教育もまったく同じです。そして現在のように急激な変化に対応するためには、学習効果を高めることは不可欠です。
この社会情勢の中、これから求められるだろうスキルや新しい働き方などを会得するために、あなたも学習していると思います。
しかし無くならない悩みは、
・どうも頭に入らない
・勉強する時間がない
・勉強会の意味があるのか?
といったものですね。
教育する時間は大切だと誰もが理解しています。しかし短期的な成果が期待できるわけではありません。勉強中に売り上げは上がりませんので。だからこそ、限られた時間で学習効果を高める方法を、誰もが欲しがっています。
今回ご紹介するのは、ワシントン大学の研究です。
結論から言うと、学習の前にテストをすると、学習効果が10~20%程度高まるそうです。どちらのグループにも暗記学習の後にテストを行いましたが、片方のグループは暗記学習の前に事前テストを行いました。そうすると、暗記学習だけのグループと比較して、テストの結果が良かったそうです。
別の研究でも、繰り返し学習と繰り返しテストとを比較しています。
その結果、繰り返しテストの方が良い結果を得ています。何度も学習するよりも、何度もテスト(実践)した方が記憶が定着します。
これらはそのまま応用することができますね。
勉強会や講義を行う前に軽めのテストをする。
たったこれだけのことで、学習効果が10~20%高まります。
テストをすると抵抗があるかもしれません。そんな時は質問だけでも良いと思います。またその質問も、各自がノートや配布資料の裏に書くような形でも良いと思います。
日頃、どんな悩みをもっていますか?
この講義を通じて何を学び、どうなりたいですか?
たったこれだけです。
さらに講義は章ごとにまとめや小テストを行うのも良いですね。発信者の一方通行にならないことがポイントです。
心理学にはカクテルパーティ効果と呼ばれるものがあります。賑わったパーティの会場であっても、自分に関する話題は聞き取れるというものです。脳科学ではこれを選択的注意と呼びます。
事前テストや質問は、これらを利用しているのです。学習したいことは何か、どこがわからないのかなどを事前に脳内に注意させておき、講義を通じて関連する情報を選択的に手に入れていく。これは意識せずとも、脳が勝手に行ってくれるのです。
だから学習中の頑張り具合はいつものままで大丈夫。あとは脳が勝手に必要な情報を選んでくれる。そうやって学習効果が高まっていくのです。
講義だけでなく、1対1の指導や、後輩から相談を受けた場合にも使えますね。
あなたの悩みは何?
どうなりたいのですか?
たったこれだけです。
一方的に伝えるのではなく、まずは相手のアウトプットを促しましょう。そうすることにより、勝手に学習効果が高まります。学習効果が高まれば、もっと学習の機会を増やそうという雰囲気を作ることができます。組織内の学習風土を作っていくと、良い歯車が回り始めます。
まとめ:
・学習の前にテストを行う
・学習よりも実践の回数を増やす
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
Roediger HL et al: The Power of Testing Memory Basic Research and Implications for Educational Practice
Roediger HL et al: Test-Enhanced Learning Taking Memory Tests Improves Long-Term Retention
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