この記事はこんな方におすすめ
・社員同士で高め合う仕組みを作りたい!
・社員教育の負担を分散したい!
・学習の効果を高めたい!
読む時間:3分
今回のテーマは協働学習です。社員教育はいつの時代も求められています。組織は人なので、当たり前ですね。しかしその方法はまだまだ確立されていません。
だからこそ、
・学習の負担が偏っている
・学習の効果が高まらない
・自発性が乏し
といった悩みも尽きません。
社員教育は経営の要といっても過言ではありません。人の成長は組織の成長です。だからこそ、科学的な根拠に基づいて、投資を行いたいですよね。
そこで今回ご紹介する方法は、協働学習です。協働学習はハーバード大学のMazur氏により提唱された学習方法です。
協働学習の方法は以下の手順となります。
まず講義のポイントについてテストをします。テストの正答率が30%以下なら講義をして、もう一度同じテストをします。正答率が30~70%であれば、学習者間で何がポイントなのか、互いに教え学び合います。
そして再度講義をして、次のポイントに関するテストに移ります。テストの正答率が最初から70%以上であれば、講義をするだけにして、次のポイントへ進みます。これらを繰り返すという方法です。
例えば、接遇に関する講義の場合はどうでしょうか。
接遇のポイントを、名刺を交換する時、上司に相談する時、お客様にお詫びをする時とします。まず名刺を交換する時の接遇についてテストをします。その結果が30%以下なら講義をして再テスト。30%~70%なら、学習者間で名刺を交換する時の接遇について教え学び合う。70%以上なら、講義をして、次のポイントである上司に相談する時の接遇をテストする。といった具合です。
この協働学習の効果に関するメタ・アナリシスが2017年に報告されました。
29の研究と4378名を対象とした結果、効果量0.935にて協働学習の効果が確認されました。この値は非常に多く、明らかな効果です。
そのため、かなりパワフルな方法であると言えます。
確かに私も社員教育や学生の講義をする際に、ポイントを伝えて理解度を意識します。この理解度はテストではなく、表情や受講態度などから暗黙的にとっていました。そして講義の内容を伝えるだけにするか、手を挙げてもらうなどの参加型にするかを決めて進めました。幸い好評を頂いており、学生の講義は10年連続でお声掛けを頂いております。
協働学習のポイントは2つ。
1. 教える側が伝えたい内容のポイントを持っているか
2. 学習者間で教え学び合う際の調整ができるか
この2つを用意することができれば、学習の効果は飛躍的に高まります。そしてそれは企業の業績へとつながる可能性が高いと言えます。
あなたが担当する講義では、何を伝えたいのか。学習者同士で教え合う場合には、議論が的を外れていないか観察し、援助できるか。この2つを準備し、またこの2つかできる人を増やしていけば、学習効果も高まる上に、教育の負担も分散します。
効果が科学的に確認されている協働学習を、ぜひ取り入れてみてください。
まとめ:
・講義のポイントを明確にする
・ポイントに対する理解度を測る
・学習者同士で教え合い学び合う環境を作る
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
Lasry N et al: Peer instruction: From Harvard to the two-year college
N Balta: A meta-analysis of the effect of Peer Instruction on learning gain: Identification of informational and cultural moderators
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