この記事はこんな方におすすめ
・的確に指示を出せるようになりたい!
・成功体験を積んでもらいたい!
読む時間:3分
今回のテーマはワーキングメモリです。ワーキングメモリは一時的に頭の中に置いておくことができる事柄の記憶です。
「えーっと、今日は企画書を書いて、その後に後輩の相談に乗らないといけないなぁ。」
この時の“企画書”と“後輩の相談”を短い時間覚えていてくれるのがワーキングメモリです。
今日の悩み
・たくさん指示を出し過ぎてしまう。
・どのくらいお願いしたらいいのかわからず、結果的に人に頼みごとができない。
・指示を出しているけど、ちゃんと応えてくれない!
よく経験しますよね。
先輩や上司といった立場が上にある人は指示を出す機会がたくさんあります。後輩から相談されて、「あれとこれをやったらいいよ。」という風に答えることも多々あります。指示を出すこちらにも色々な想いがありますので、あれやこれやと言ってしまいがち。しかし先ほど挙げたように、言ったことがそのまま形にはなかなかならないものです。
そして最終的には相手のせいにしてしまう…
では相手にどのくらいの指示を出せば良いでしょうか?
おおよその数がわかれば、適切な量の指示またはお願いができるようになります。この悩みを解決してくれる一つの方法として、ワーキングメモリを意識してみましょう!
今日ご紹介するのはミズーリ大学とカロリンスカ研究所の実験です。どちらも20歳以下を対象として、ワーキングメモリが発達とともにどのくらいの量で頭打ちになるのかを明らかにしています。
ミズーリ大学の実験は90名の参加者を対象にしたところ、年齢が上がるとともにワーキングメモリが増えていくことが明らかになりました。そしてその数は20歳ほどで頭打ちとなり、おおよそ3~3.5個です。
カロリンスカ研究所の実験は323名の参加者を対象にし、ミズーリ大学と同じく、年齢とともにワーキングメモリが増えることを明らかにしています。こちらの研究では15歳ほどで頭打ちとなっています。
どちらの研究も15~20歳ほどで頭打ちとなっているため、会社勤めをされている成人においてはおおよそ同じと考えて良さそうですね。
そしてその数は3つです。
ということは、相手に指示を出す場合は3つが良さそうです。プレゼンの基本として、3つで提示することが勧められますね。この3つというのも、ワーキングメモリが関係しているかもしれません。相手の頭の中にとどめておける数。相手がこちらの提案を頭に置いておける数。
理にかなっていますね。
ここで注意点を2つ。
まずは、なんでも3つにすれば良いわけではないこと。一つ一つの指示の重さもありますし、相手が別の作業をしている場合もあります。別の作業をしている場合は、その時点で1つか2つを頭の中で取られています。その場合は1つにしておくのが良いですね。または完全に手一杯である場合は、時間を変えて、落ち着いた状況を作るといった工夫も大切ですね。
相手の状況を観察し、頭の中を推測しましょう。
もう一つは、こちらの指示の量を減らすこと。本当に3つ必要でしょうか。もっと本質的に重要な1つに絞ることも必要です。「その指示は本当に重要か」「その指示がなければ危機が訪れるのか」
こうやって本当に大切な指示に絞っていきましょう。
そうすることで、受けても無駄な作業がなくなり、余裕ができます。その結果こちらも指示が形になります。
お互いの良い関係を築くうえでも、ワーキングメモリを意識することは大切ですね。
まとめ:
・同時に頭の中に留めておける記憶は3つまで。
・指示を出す時は、大切な1つに絞っていこう!
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
Cowan N et al: Age differences in visual working memory capacity: not based on encoding limitations.
Ullman H et al: Structural maturation and brain activity predict future working memory capacity during childhood development.
リサーチ協力のWhite.Crowさんのブログもオススメです:
https://academictheories.com/
特にワーキングメモリについてもっと知りたい方はこちらです
https://academictheories.com/2020/03/26/working-memory-capacity/
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