この記事はこんな方におすすめ
・自分で考えることができるようになりたい!
・自分で考えるスタッフを育成したい!
・自分で考える文化を作りたい!
読む時間:5分
結論:あれこれ指示を出し過ぎたり、自分で考えた答えや行動を叱責したりすると、指示待ち人間が育ってしまう。
今回のテーマは指示待ち人間です。自分の頭で考え、自分で行動する。そんな自発的な状態に誰もが憧れるし、自分の部下や子どもにはそうなってもらいたいと思っています。
しかし多くの方が、
・スタッフが自分の頭で考えない。
・指示待ちになっている。
・質が下がっている。
といった不満や悩みをお持ちです。実は私も若かりし頃、同じような思いを持ったことがあります。「もっと自分で考えなさいよ!」と何度心の中で思ったことか。しかし本当に、世の中は指示待ち人間で溢れているのでしょうか。冷静に考えてみると、そんなわけはありません。
さて、今回は歴史から学んでいきたいと思います。まずは項羽と劉邦。これは中国大陸の歴史です。現在流行っている、キングダム。ネタバレになりますが、この春秋戦国時代を秦が統一します。その後、始皇帝が没すると、秦は瓦解します。この内乱の末、項羽軍と劉邦軍の二軍に分かれます。そして最後に劉邦が勝ち、漢という国となります。
この項羽と劉邦は大変学ぶことが多いのです。項羽はスーパーマン。能力もバリバリ高い。戦も負け知らず。めちゃくちゃ強い。一方で劉邦はそこまで能力が高いわけではない。一騎打ちなら項羽には到底勝てない。しかし劉邦は、相手を重んじる、相手を大切にするという能力がありました。
最終的には劉邦が勝つのですが、項羽との戦いの後の論功勲章が興味深い。多くの将は、前線で戦った自分が評価されると思っています。しかし劉邦が評価したのは、なんと食料や軍隊を補給した後衛の将軍でした。影の立役者、縁の下の力持ちを評価した劉邦は、圧倒的な軍勢で項羽軍を取り囲み、勝利しました。この項羽の状態から、四面楚歌という言葉が生まれたのです。
まずここから学ぶことは、相手を承認するということです。相手の強みや得意なところを、いかにして最大化するのかを考える。部下を馬鹿にしてはいけません。そもそもあなたも私も万能ではなく、欠点がたくさんあります。
次は三国志。中でもヒーローは諸葛孔明ですね。劉邦が作った漢が滅びるところから、三国志の物語は始まります。ちなみに劉備玄徳が漢の正当な血族であるとして、物語が進んでいますが、それは劉邦の劉家が根拠になっています。
それはさておき、諸葛孔明。彼は類稀なる天才です。なのですが、彼らが蜀を攻めた時、諸葛孔明は蜀が予想以上に強いことに驚きます。なぜこんなところに優秀な人間がたくさんいるのだろうと思ったのです。しかし彼らが蜀を治め、三国志の物語も終盤になった頃、孔明は蜀に優秀な人間がいないと嘆きます。ライバル(魏の司馬懿)が孔明の様子を探ったところ、孔明は朝から夜遅くまで、仕事をしていて疲弊していることがわかりました。
つまり孔明は、仕事を人に任せることができなかったのかもしれません。優秀な人がいないと嘆いていたことからも、孔明が優秀過ぎて、部下が自分の頭で考えなくなってしまった可能性があります。指示をし過ぎた。
ここから学ぶことは、指示待ち人間は優秀すぎる上司が作っている可能性があるということです。あれこれ指示をされれば、仰せの通りにしておこうと思うのが普通です。自分でやったことを怒られでもすれば、なおさらです。
これらを踏まえ、私も答えはできるだけ出さないようになりました。どう考える?この条件の中で考えてみて?この場合はどう?といったような質問をするようになりました。すると、私の質問の傾向を掴み、先回りしてアイデアを持ってきてくれるようになりました。まさに、自分で考えている状態です。アイデアが出やすくなる条件については、こちらを参考に。
ということで、指示待ち人間を作っているのは、完璧な指示が出せてしまう優秀な人間ということになります。
まとめ:
・あれこれ指示を出すと、指示待ち人間が育つ。
・まずは相手を承認する。
・目的や制約条件を伝えて、アイデアを促す。
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
司馬遼太郎:項羽と劉邦
吉川英治:三国志
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