この記事はこんな方におすすめ
・生き生きとした職場を作りたい!
・スタッフの体調を整えたい!
・自分の体調を整えたい!
読む時間:5分
結論:認知行動療法とマインドフルネスは、睡眠改善に対して科学的に効果が立証されている。
今回のテーマは睡眠の改善。これまでも睡眠に関する内容をまとめてきました(睡眠の重要性、睡眠と健康、睡眠と記憶)。今回は、睡眠をどうすれば改善できるのかについて解説します。
・ストレスが多い。
・よく眠れない。
・気分が落ち込む。
このような症状を持っているスタッフは本当に多いです。自分自身も、気を抜くとついつい無理をしてしまいます。しかし、職場が活性化するためには、しっかりと寝て、脳がスッキリしていることが大切になります。これもまた、健康経営です!
今回は2つの研究をご紹介します。まずはデューク大学で行われた認知行動療法と睡眠に関する研究です。二重盲検におけるランダム化比較試験ですので、確証度(エビデンス)の高さは上から2番目。中身もしっかりしておりますので、比較的信頼できます。
この研究では、認知行動療法群、リラクセーション群、プラセボ群の3群に分けました。認知行動療法は、週30~60分のセッションを6週間行いました。内容は、睡眠と健康に関する正しい知識と方法論を学ぶこと、そして刺激コントロールとして、①基準となる起床時間を決める、②起きている間はベッドから離れること、③ベッドや寝室では睡眠と関係ないことはやらないこと、④昼寝をしないこととしました。
リラクセーション群には筋肉の曲げ伸ばしを行うリラクセーションを、プラセボ群には日中の覚醒リズムを意識した活動を行ってもらいました。つまり、認知行動療法 vs アクティブコントロールとなります。
その結果、認知行動療法群の方が、睡眠中の脳波や筋活動が改善。さらにはベッド滞在時間も短くなり、起床時間のバラツキが小さくなりました。つまり、寝つきが良くなり、しっかり目を覚ますことができているということです。しかもこの効果は、6か月後も続いていました。
次はマインドフルネスと睡眠に関する研究です。南カルフォルニア大学とカルフォルニア大学との共同研究です。55歳以上の不眠症患者を対象に、マインドフルネス vs 睡眠教育を調べました。
マインドフルネス群は、週2時間のセッションを6回行いました。マインドフルネス歴20年のベテランから、マインドフルネスの様々な方法を教わり、10~30分実践します。一方、睡眠教育群は、マインドフルネスと同じく、週2時間のセッションを6回行いました。内容は、訓練された教育者がカリキュラムに沿って睡眠の教育(講義)を受けました。
その結果、睡眠指標、疲労尺度、うつ尺度のいずれにおいても、マインドフルネスにて有意に改善していました。
私の経験でも、睡眠が取れなくなるのは、心が弱くなる重要なサインであることがわかります。顔に覇気がない、今一つ元気がない、昼にウトウトしている、逆にカラ元気のように見える、といった様子が見られたら要注意です。一度声をかけたほうが良いかもしれません。仕事をしていればそのような時期はあり、自分で解決しろよと思う方もいるかもしれません。しかし私は、睡眠が取れないときの不幸を知っています。だからこそ、回避する方法を身に付けて、生産性の高いパフォーマンスを出してもらう方法を選択します。
まとめ:
・認知行動療法は、睡眠の改善に対して科学的に立証されている。
・マインドフルネスは、不眠症の改善効果がある。
・どちらも手軽に行うことができる。
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
・Edinger JD, et al: Cognitive behavioral therapy for treatment of chronic primary insomnia: a randomized controlled trial. JAMA. 2001. 11;285(14):1856-64
・Black DS, et al: Mindfulness meditation and improvement in sleep quality and daytime impairment among older adults with sleep disturbances: a randomized clinical trial. JAMA Intern Med. 2015; 175(4):494-501.
・山田知生:スタンフォード式 疲れない体
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