この記事はこんな方におすすめ
・スタッフとのコミュニケーションを円滑にしたい!
・スタッフの営業力を高めたい!
・Webコミュニケーションに慣れたい!
読む時間:3分
結論:話し手と聞き手の脳の同調が必要。Webコミュニケーションではいつも以上にお互いの理解を確かめる作業が必要になる。
今回のテーマはコミュニケーションです。何を今更と思われるかもしれませんが、新しい生活様式になり、Webでのコミュニケーションが主流になりつつあります。つまり、これまでの対面とはコミュニケーションのあり方が変わっているため、うまく適応する必要があります。
だからこそ、
・Webではうまく会話できない。
・その解決策も思いつかず、慣れるだけだと思っている。
・そもそもコミュニケーションが上手ではない。
という悩みが生まれます。そこで今回は、コミュニケーションに関する脳科学の知見をご紹介します。今回もレビュー論文を参考にしています。
まずは英国での研究。話す時と聞く時の脳の活動を調べました。このような研究は古くからありますが、まだまだわかっていないことが多いということを先に書きます。この研究では、話を聞く時と話をする時に分けて、PETにて脳活動を調べました。
その結果、聞く時には、両側の側頭葉、側頭-頭頂間溝、内側前頭前野が活動していました。話す時はこれら3つに加え、運動野と後前頭前野でした。またその活動は、もちろん左が有意ですが、右も活動しています。さらに興味深いことは、聞く時と話す時はほとんど同じ場所が活動しているということ。聞き上手は話し上手と言われる所以はここにあるのかもしれませんね。
次はプリンストン大学、トロント大学、ニューヨーク大学の共同研究です。この研究のユニークな点は、話し手と聞き手の脳の同期性を調べたことです。さらに聞き手に会話の内容をどのくらい覚えているのかをテストもしました。
その結果、聞き手も話し手も、側頭葉、側頭―頭頂葉、前頭葉の3つが重要な働きをしていました。先ほどの研究と同じ結果が得られていますね。次に、聞き手と話し手のどちらもの3つの領域が同期した時に、会話が成立していました。
今回の知見は大変興味深いですよね。一方的に話してもダメ。自分の脳内と聞き手の脳内、つまりイメージしていることが一致するように工夫することが大切です。だからこそ聞き上手の方々は、話し手の脳内を予測して、合わせているのでしょうね。
Webでのコミュニケーションは、ボディランゲージなどがほとんど活きてきません。そのため相手の脳内を予測することが難しくなります。これまで以上に表情や抑揚、単語の選択などから相手の脳内をしっかりとイメージする必要があるようです。
工夫の方法は、いつも以上に質問をすることでしょうね。つまり、確かめる作業です。「こういう意味で良いですか?」「この場合はどう考えますか?」というように、丁寧にお互いの理解を確かめていくことが必要になります。ぜひ、試してみてください。
まとめ:
・聞き手と話し手の脳活動は似ている。
・会話が成立する時は、お互いの脳活動が同調している。
・脳を同調させるためには、お互いの理解を確かめる作業が必要。
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
・Simonyan K, et al: New Developments in Understanding the Complexity of Human Speech Production. J Neurosci. 2016 Nov 9;36(45):11440-11448
・Awad M, et al: A common system for the comprehension and production of narrative speech. J Neurosci. 2007 Oct 24;27(43):11455-64.
・Silbert LJ et al: Coupled neural systems underlie the production and comprehension of naturalistic narrative speech. Proc Natl Acad Sci USA. 2014 Oct 28;111(43):E4687-96
・山田ズーニー:なぜあなたの話は通じないのか。
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