この記事はこんな方におすすめ
・イノベーションを起こしたい!
・現状を打破したい!
・アイデアをどんどん出したい!
読む時間:3分
結論:アイデアは制約(資源、過程、結果)がある方が生まれやすいことが明らかになっている。
今回のテーマはアイデアと制約です。これまでもアイデア(創造性)に関する記事を書いてきました(創造性の脳科学、創造的な問題解決)。今回の記事で、あなたの発想力がさらに高まります!
・アイデアが生まれない
・障壁が多い
・自由に考えることができない
といった悩みを持たれている方が多いですね。「みんなもっとアイデアを出してよ!」という心の声が聞こえてきます。さらに、時間がない、お金がない、家族がいる、地方に住んでいる。だから諦めるしかない、など。気持ちはとても良くわかります。しかしこれらは勘違いです。アイデアを出すためには、むしろ制約が味方になります!
ロンドン大学の研究チームは、145件の実証研究に関するレビューを行いました。その結果、イノベーションと呼ばれる成果については、制約が存在することが明らかになりました。またそれらの結果から、制約の条件を3つにまとめました。
・インプットに関する制約(資源)
時間、資金、マンパワー、材料、道具など
・プロセスに関する制約(過程)
枠組み、ブレインストーミングのルール、職場のルールなど
・アウトプットに関する制約(成果)
規制、規格(基準)、求められる製品やデザインなど
ユニバーサルスタジオジャパンをV字回復させた森岡毅氏も、制約(必要条件)の重要性について指摘しています。使える投資額、期限、そして成果を立てて、すべてを満たすアイデアを考えていくそうです。
必要条件について、数学で習いましたね。必要十分というやつの、必要の方です。それだけでは十分ではないけれど、それが必要というものです。十分条件はその名の通り、それだけで十分な条件です。
お客さんがテレビを買いに来ました。10万円以下なら何でも良い。と言われているのなら、10万円以下が十分条件になります。しかし大抵は、10万円以下で、録画機能があり、30インチ以上のものを、といった必要条件がつきます。これらをすべて満たすテレビを探すことになるわけですね。
「なんでも意見を出してくれ」
「自由に考えてくれ」
これらではアイデアが生まれません。私も以前の上司によくこのように言われて鼓舞されたことがあります。しかし心の中では、「ゴールは?予算は?いつまでに?それらで案は全く変わるよ」と呟いていました。それらを聞いても答えてもらえもしませんでした…
アイデアを出す場面では、使える資源、ルール、求められる成果の3つをチームで共有しましょう!具体的には、お金はいくらまで、期限はいつまで、1日○時間まで、他部署も巻き込む形で、新人スタッフも混ぜて、週1で上司に報告して、残業時間を10時間削減する、従業員の満足度を10%向上させる、売上を20%上げる、コストを10%削減する。といったような形で、資源、ルール、成果を共有していきましょう。
五・七・五・七・七という制約によって、短歌という類稀なる文化が生まれたのでしょうね。
まとめ:
・制約はアイデアを出すための味方である。
・制約には、資源・過程・結果の3つの要素がある。
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
Acar, O. A et al: Creativity and Innovation Under Constraints: A Cross-Disciplinary Integrative Review. Journal of Management. 45. 96-121. 2019
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