この記事はこんな方におすすめ
・チームの一体感を高めたい!
・スタッフのやる気を引き出したい!
・今の状況の乗り越えたい!
読む時間:5分
今回のテーマはチームの一体感です。新型コロナウイルス感染拡大により、様々な状況に直面されていると思います。難局もあれば、好機と捉えて成長しようとしている場合もあるかと思います。いずれにしても、乗り越えなければなりません!その時に大切なことは、一体感です。個々の力を分散させずに、集中させる方法をお伝えします!
どの組織も抱えている問題は、
・どうしてもバラバラになる。
・どこを目指しているのかわからない。
・一緒に仕事をしたくない。
といったものです。あなたの職場はいかがですか?そしてチームをまとめるために、日々苦心されていると思います。褒めてみたり、仕組みを考えたり、時には強い言葉を使ったり。
今日ご紹介する方法は、人類(ホモ・サピエンス)の特性を活かしたものです。急に話が大きくなりましたね。もちろん科学的な根拠もご紹介しますのでご安心を。
私たちホモ・サピエンスは、動物的な強さを持っているのでしょうか。トラやライオン、ゴリラなどと比べてどうでしょうか。あなたはトラと対峙して勝てる自信はありますか?武井壮さんほどの力を私は持っていませんが、よく想像します。銃というテクノロジーがあれば、一人でも勝てるかもしれません。
しかしテクノロジーが棒や石槍レベルであったらどうでしょうか。おそらく誰かと一緒に戦うと思います。実はこれが組織の始まりです。
私たちホモ・サピエンスは動物的な弱さを集団という力で克服しました。そして集団の力を強くするポイントは、共通する認識です。同じ村に住んでいる。同じ言葉を使っている。同じ家に住んでいる。同じ“何か”を信じている。これらが共通する認識となります。
そしてその傾向が強くなる時は、共通する敵がいる時です。自分たちの存在を脅かす敵は、とてもわかりやすい。だからこそ、敵がいる時は集団の一体感が高まるのです。
このように、集団の内をひいきして、外を差別する傾向を、内集団バイアスと呼びます。内集団バイアスは、本当に簡単に起こります。
本当は裏でコイントスをして適当にグループ分けをした実験があります。片方に「あなた達は優秀です」と言っただけで、このグループの一体感が高まることがわかっています。同じ出身、同じ大学、同じ苗字、同じ誕生日。共通点があるだけで、人は一体感を作るのです。
またアラブ首長国連邦の先住民であるエラミティの人々を対象に行った研究によると、この傾向は男性で特に強いことが報告されました。そして同性同士の場合は集団の中で競争することに対し、異性混合の場合は外と競争を好む傾向であったようです。その一方で、女性の場合はどちらにおいても、競争を好まない傾向のようです。
男性は競争、女性は認識のようですね。敵という不安材料があると強まることを応用すると、男性の場合は“敵を倒す”、女性の場合は“敵から守る”という時に一体感が高まるのかもしれません。
ではどのようにして応用するのか。それは、仮想敵を作ることです。当然ながら、実際の人や部署はダメです。中で競争してしまい、力が分散したり、足の引っ張り合いをしてしまいます。
仮想敵は、競合や時代の流れ、顧客のニーズなど。男性に向けては、コロナによる社会変化に立ち向かう!女性に向けては、社会変化から自分たちの組織を守る!というような表現をすると、一体感が増す可能性が高いです。
私は医療現場にいましたので、病気や障害といった、患者さんを苦しめている状況を敵としていました。そのおかげで、一体感をもってサービスの向上を続けることができました。
まとめ:
・仮想敵を設定する。
・仮想敵は競合や時代の流れ、顧客のニーズなど、組織の外に設定する。
・男性は倒す・立ち向かう、女性は守るという表現が効果的。
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
Tajfel H et al: Social categorization and intergroup behavior
Emirati women do not shy away from competition: Evidence from a patriarchal society in transition.
ユヴァル・ノア・ハラリ:サピエンス全史(上・下)
ジャレド・ダイアモンド:銃・病原菌・鉄(上・下)
田坂広志:未来を予見する5つの法則
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