この記事はこんな方におすすめ
・予定通りにプロジェクトを終わらせたい!
・質の高い仕事がしたい!
読む時間:3分
今回のテーマはバッファーです。バッファーとは余力や余分のことです。
「今日の会議は13時からだけど、念のため30分前に行こうかな」
この“念のため”がバッファーです。
今日の悩み
・いつも予定より時間がかかってしまう。
・予算やスケジュールをどう立てていいかわからない。
・バタバタしてとりあえずの成果になっている。
あるあるですね。
いつもギリギリでバタバタしてしまう。そしてスタッフからひんしゅくを買ってしまう。どんな時でも、予想していなかったことが起こりますね。それはある意味では予想通りなのかもしれませんが…
ここで大切になるのがバッファーです。つまり余裕をもった計画を立てよう!ということです。ではどのくらいの余裕を持てば良いでしょうか。そしてどうすればそんな計画を立てることができるのでしょうか。
今回ご紹介するのは、ワーテルロー大学で行われた研究です。1994年の報告なので少し古いですが、参考になります。37人の学生に、卒業論文を作るのにどれくらいの時間がかかるのかをインタビューしました。この時に、妥当な見積もり、楽観的な見積もり、悲観的(慎重な)見積もりの3つの条件で聞いています。そして面白いことは、この3つのいずれよりも時間がかかってしまったことです。妥当な見積もりの1.6倍、楽観的な見積もりの2倍、悲観的な見積もりの1.2倍でした。学生なので、見積もりが甘いということもありますが、それでも悲観的に予想したよりも時間がかかっていたことは大変興味深いです。
ここから1.3倍で見積もると良さそうだということがわかります!
では1.3倍をきちんと見積もれるでしょうか。ついつい小さく見積もってしまいますよね。私もその傾向にあります…。そこでもう一つご紹介します。
アメリカのウェイクフォレスト大学の学生を対象にして行われた研究です。ここで面白いのは、自分の見積もりだとバレる群とバレない(匿名)群にわけたことです。その結果、バレる群(人前で見積もった群)は予想よりも2倍の時間がかかってしまいました。バレない匿名の群はむしろ1.1倍時間がかからなかった。この研究では、自分を大きくみせようとして、時間を小さく見積もってしまう可能性を示しています。そして匿名であれば冷静に見積もることができる。
人の目を意識すると、小さく、短く見積もってしまう。
その気持ち、とてもわかります。
たくさんの人の視線をうける上司や先輩が感覚的に計画を立てると、小さく・短く見積もってしまうかもしれません。だからこそ、最初の研究を参考に、1.3倍のバッファーを用意すると良さそうです。そうすることにより、余裕をもって作業に当たることできますので、質の高い成果を期待することができます。
そしてその成果は、自分と職場に返ってきます。自分を大きく見せようとする一時の感情に冷静に対応し、1.3倍の計画で質の高い成果を残しましょう!
まとめ:
・計画は1.3倍で見積もろう。
・計画を立てる時は人目を気にしないようにしよう。
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
R Buehler et al: Exploring the “Planning Fallacy”: Why People Underestimate Their Task Completion Times
SP Pezzo et al: The social implications of planning: How public predictions bias future plans
この記事へのコメントはありません。