この記事はこんな方におすすめ
・たくさんのプロジェクトを同時に進めたい!
・一つ一つのプロジェクトをしっかり頭に入れたい!
・わかりやすいプレゼンをしたい!
読む時間:3分
今回のテーマは記憶です。立場が上がるほど、多くのプロジェクトを抱えます。新しい企画作り、お客様への対応、後輩の指導、自分の部署の管理など。ワーキングメモリは3.5個なので、とても追いつきません(ワーキングメモリの記事はこちら)
そのため多くの方が、
・全部管理できない
・パニックになってイライラする
・先輩また忘れてるよ、と言われる
といった悩みを抱えています。私は事業・企画作り・研究・大学院・ブログ・広報・家庭・自己学習など様々な案件を抱えていますので、よくわかります。あなたはいかがですか?
そんなにないよ。と思いましたか?そんなことはありません。仕事中は自分の仕事、後輩からの相談、家庭では家族サービス、自分の体調管理や勉強、趣味の予定、近所の付き合いなど。実は誰もがたくさんの案件を抱えています。記憶されていないだけです。だから案件が重なるとパニックになり、イライラしたり、忘れてしまうのです。
そのような状態から一歩抜け出しましょう!今回はカナダのウォータールー大学で行われた研究をご紹介します。この研究は単語を思い出す(記憶する)ために、描画(落書き)、リスト化、手書きといった方法がどのくらい影響をするのかについて7つの実験を行いました。
7つの実験の結果をまとめると、リスト化や手書きと比べて、明らかに描画(落書き)で記憶力が向上しました。その効果量は0.6以上なので、結構なインパクトです。使えます。
見るだけまたはパソコンに打つだけよりも、手書きの方が記憶しやすい。そして文字がただ並んでいるよりも、図の方が記憶しやすい。この2つの組み合わせたのが描画(落書き)です。
私もできる限り図で書きます。一番左に目的があって、そこからAとBという2つの方法に分かれて、そしてAを担当するのが○さんと△さんで…とか、XとYという企画があるけど、効果を横軸に、コストを縦軸にした時に効果が高くてコストが低いのはXで、その反対がYで…いった具合です。こうすることで頭の中が整理され、忘れにくくなります。
記憶は脳の中にある海馬という場所が保管されると長らく考えられてきました。しかし大脳皮質(特に頭頂葉)と呼ばれる、体の情報(感覚)と目からの情報をマッチさせる場所に多く記憶されることがわかってきました。将棋のプロ棋士たちは盤面を写真のようにして記憶しているそうです。
手書きによる手からの情報と、図を作ることによる目からの情報、そして図を作り上げる想像力。これらが相まって、しっかりと頭の中に記憶されます。自分で書いた図が写真のように頭に記憶されます。
さらにこの研究では、グループでの記憶に関する実験も行っています。その結果は同じく描画(落書き)で記憶が高まりました。つまり、会議や後輩指導などで誰かと話し合う時もホワイトボードや紙を使って図を作りながら進めると効果的ですね。そして作った図は、写真にとってデータ管理をすればいつでも取り出せます。3日後や2週間後に見れば、記憶力はさらに高まります。
いくつもプロジェクトを抱えていても、この方法でずいぶん変わります。ぜひ試してみてください。そのためにも、常に紙とペンを身近に置いておきましょう。
まとめ:
・落書きは記憶力を高める
・会議や後輩指導などでも有効
・紙とペンをいつも持っておく
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
Jeffrey D Wammes et al: The Drawing Effect: Evidence for Reliable and Robust Memory Benefits in Free Recall
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