この記事はこんな方におすすめ
・医療や介護の仕組みを説明できるようになりたい!
・医療や介護の意味を理解したい!
読む時間:3分
結論:社会保険とは、医療保険、年金、労災保険、雇用保険、介護保険という、国民全体で支えあうための公的な仕組み。
今回のテーマは社会保険です。社会保険?社会保障とは何が違うの?という声が聞こえてきそうです。社会保障の記事(こちら)の復習もしますね。
社会保障とは、貧困の回避(経済的保障)と、健康の増進(健康の保障)の2つです。具体的には、社会保険、社会福祉、公衆衛生、公的扶助という方法をとります。ここで、社会保険が出てきました。社会保険は、貧困の回避(経済的保障)と、健康増進(健康の保障)にどのように寄与するのでしょうか。
・よくわからない。
・なんだかチンプンカンプン。
・とりあえず目の前の仕事をすれば良いよね。
なんて言わないでください。大丈夫です。もう少しお付き合いただければと思います。
社会保険とはそもそも何か?がん保険と何が違うのか?公的保険と民間保険という言葉を聞かれたことがあると思います。この社会保険とは、公的保険です。がん保険、終身保険など、民間会社によって運営されている保険が、民間保険です。では公的保険はどのようにして運営されているかというと、法律に基づいて公的な機関(国が管轄する機関)が運営しています。
まずは保険について理解しましょう。保険とは、自分一人では備えることができないリスクに対して、多くの人たちが共有することでリスクに備える仕組みです。みんなでお金を出し合って、危機に晒された人(けが、病気、事故、災害、リストラなど)を助けようということです。
「自分は大丈夫だ」という人は、保険には入らないわけですね。民間保険の場合は、この判断が自由です。そこで公的保険。公的保険の場合は、法律で定められていますので、日本国民であれば加入する義務が発生するわけです。ただし、入らないといって罰則があるわけではありません。国が動かしているサービスを、保険を通じて受けることができないだけです。
では貧困や健康に対して、どのようなリスクがあるのでしょうか。それは、病気、けが、加齢、障害、大黒柱の死、失職、仕事中のけが、妊娠・出産、育児、衰え。これらの状態になると、仕事を続けることが難しくなる、または健康が脅かされるということになります。これらは安全で安心な国民生活を実現するためには、回避せねばならないことだと、日本は考えています。だからこれらに対して、国民全体で支え合いましょうというスタンスをとっているのです。
では具体的にはどのようなサービスでしょうか。
それは、医療保険、年金保険、労働者災害補償保険(いわゆる労災)、雇用保険、そして介護保険の5つです。
けがや病気になった時の医療サービス、仕事ができなくなった時の年金サービス(老齢、障害、遺族)、仕事中にけがなどをした場合の保障サービス、仕事がなくなった場合の保障サービス、介護が必要になった時の介護サービス。これらは、リスクに対して国として国民を守るために必要なサービスです。だから国が主体的に運営します。ということが、社会保険の概要です。
先ほども述べましたが、これらは国としてのスタンスです。国が変われば考え方も変わります。みんなで支え合うのか、個人の責任か。このバランスが国によって異なるのですね。いずれにしても日本は、できるだけみんなで支え合おうというスタンスを今のところ取っています。
まとめ:
・社会保険とは、国民全体で支え合おうという仕組み。
・医療保険、年金保険、労働者災害補償保険、雇用保険、介護保険の5つがある。
・国によって考え方が異なる。
本内容は、参考資料を元に考察したものです。そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
厚生労働省:平成29年度版 厚生労働白書
椋野美智子・田中耕太郎:はじめての社会保障 第17版.有斐閣アルマ
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